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《塾長のつぶやき》「受験期に学校を休む」について考える
この時期になると、「受験前は、勉強に集中するために学校を休んだ方が良いですか?」といった相談を受けます。
親としては、わが子が合格を目指して頑張る姿を応援したい気持ちもあるでしょう。しかし、私は本当に特殊な事情がない限り、学校を休んでまで受験勉強に専念することをお勧めしません。その理由をお話しします。
合否だけが受験の全てではない
受験の成功はもちろん重要ですが、合否だけが受験のエッセンス(本質)ではありません。受験とは、限られた時間や環境の中で自分の力を最大限に発揮する挑戦の場です。その過程で得られるのは、知識や技術だけではなく、生きる力や知恵、そして自分自身を見つめ直す機会でもあります。
例えば、学校生活では日々の授業や友人との交流を通じて、多くの学びを得ることができます。これらの経験は、試験勉強だけでは補えない大切な要素です。学校を休むことで、そうした貴重な学びの機会を失ってしまうことも一考すべきでしょう。
受験は両立の訓練でもある
大人になると、仕事と子育て、家庭と趣味などなど、様々なことを同時にこなさなければならない場面が多々あります。受験勉強を通じて、学校生活との両立を図ることは、そうした将来のための訓練にもなります。
ちょうど3年前に当塾を卒業生した生徒なのですが、部活動や生徒会活動と受験勉強を両立し、入試に挑みました。部活動や生徒会の集まりが終わった後に短時間で効率よく勉強する方法を工夫した結果、彼は見事、第一志望校に合格。それだけでなく、時間管理能力や集中力といった一生役立つスキルも身につけました。
工夫や気合いで乗り越える力を育む
受験期は、自分の限界に挑戦する機会でもあります。勉強時間が足りないと感じたとき、時間の使い方を見直したり、効率的な学習方法を模索したりすることが必要です。これらの工夫を通じて、受験生は「乗り越える力」を身につけていきます。
もちろん、気合いや根性といった精神論だけで全てが解決するわけではありません。しかし、時には「どうしても今日中にこれを終わらせる!」という強い意志が、困難を突破する鍵になることも多々あります。
親としてどう向き合うべきか
親としては、子どもが「学校を休みたい」と言ったときに、まずその理由をじっくり聞いてあげてください。そして、受験の本質について一緒に考える時間を家族で持つことが大切です。
昭和的な考え方かもしれませんが、私は受験を通じて得られるものは人生の糧になると信じています。学校生活と受験勉強を両立させることで、子どもたちは多くのことを学び、成長していくでしょう。
皆さんはどのように考えますか?ぜひ、家族で話し合ってみてください。